青山にあるフランス料理屋に
就職しました
柔道の試合で何回か
東京には来ていたのですが
やっぱり東京は凄い
人の多さに圧倒されました
柳川と大牟田しか知らない僕は
こんなところでやって行けるのか
不安になりました
それに近くに誰も知り合いが居なく
知っている人と言えば
職場の人たちしか居ませんでした
東京に出て来て
一番困ったのは
言葉の壁でした
柳川の方言しか話せない僕は
変な標準語になってしまいます
それに思いっきり
訛ってました
それを先輩達に真似されて
いつもからかわれていました
フランス料理店に入った僕は
半年間はずっとホールで
サービスをしていました
サービスと言っても
僕の場合は
料理の運び屋でした
キッチンから客席まで
料理を運ぶだけ
お客さんのテーブルの近くに
行く事はありませんでした
支配人から
お前はお客さんと話すな
と言われていました
それは
田舎の訛りで話されたら
店の雰囲気が
壊れるからだったのでしょう
初めは店のメニューを見ても
何が何だか全く想像できませんでした
洋食と言えば
ハンバーグ・トンカツ・スパゲッティ
マカロニグラタンぐらいしか
思い浮かびません
それにメニューに写真も載っていなくて
サンプルも無いので
イメージが湧きません
それにフランス語で書かれていて読めず
日本語でも書いてありますが
なんか詩のような料理名で
漢字も読めず意味も分かりません
値段だけは分かり
コースで15,000円
アラカルトで5000円とか8000円とか
びっくりするような値段
でも出てくる料理は
今まで見た事もないような物で
どれも美味そう
匂いだけでも満足ですが
どんな味がするのか知りたくて
いつもお客さんの下がった皿を
いつも舐めていました
フランス料理にはワインは
欠かせません
ワインリストが電話帳みたいに厚くて
中を見ると
フランス語と数字しか載ってなくて
それだけで参りました
お客さんからワインの
注文があると
ソムリエに指示されて
僕は地下のカーブ
(ワインがストックされている所)
へ走ります
右から2列目の
手前から4番目の上から3段目の
ワインを持って来いと指示されます
カーブには3万本のワインが
ストックされていて
いつも迷います
よく間違って
違うものを持って行き
怒られました
でも間違っていたのも
1ヶ月ぐらい
ワインはいっぱい置いてあるけど
その産地ごとに並べてあるので
勉強したらすぐに分かります
東京に行ってからすぐに
今までしていなかった勉強を
メチャクチャやりました
毎日が受験生みたいに
ありとあらゆる物を
福岡にいるときは
バカで頭の中が空っぽだったお蔭で
詰め込んだら詰め込んだ分だけ
入っていったような気がしていました
フランス語が分からないと
仕事にならないと思い
先輩に相談したら
お前はフランス語よりも
日本語を覚えなさい
と言われました
初めにした事は
新聞を読む事でした
でも漢字・意味が分からないので
辞書を買い
1つ1つ辞書を引きながら
新聞の隅から隅まで
これを丸2年間はやり続けました
そうすると政治や経済
国際情勢なども何となく
分かるようになりました
それに本をいつも読んでいました
それと同時進行で
料理書、和洋中
あらゆるジャンル
ワインの本
それにフランス語
はやく1人前の大人になりたかった
自分に自信を持ちたかった
体力ではなく
ある程度の知識が無いと
対等に会話も出来ない
2年経った20歳の頃には
その辺りの
バカ学生並みの知識が
付いたような気がしてました
次回に続く……